革命の情熱を咲かせる一輪:真紅のバラ「ラ・マルセイエーズ」のすべてのPodcast
下記のPodcastは、Geminiで作成しました。
はじめに – 庭に灯る、自由の炎
庭の一角で、燃えるような真紅の花が咲き誇る。その姿は、クラシックな優雅さと、心を揺さぶるような情熱を同時に宿しています。花には物語が宿ることがありますが、このバラ「ラ・マルセイエーズ」ほど、ドラマティックな歴史をその名に刻んだものはないかもしれません。それは単なる美しい花ではなく、歴史の転換点と現代の私たちをつなぐ、生きた証人なのです。
このバラが、特にガーデニング初心者にとって魅力的な理由は三つあります。第一に、その圧倒的なビジュアル。大きく香り高い、鮮やかな赤い花は、誰もが一目で心奪われる美しさです [1, 2]。第二に、その驚くべき強健さ。病気に強く、旺盛に育つため、バラ栽培が初めての方でも安心して育てられ、大きな成功体験をもたらしてくれます。そして第三に、その名前に込められた深い物語。フランス国歌であり、世界中で自由と革命の象徴として知られる「ラ・マルセイエーズ」の名を持つこのバラは、庭に文化的な深みと会話のきっかけを与えてくれます。
この記事は、バラ「ラ・マルセイエーズ」を育てるための完全なガイドです。そのユニークな特徴から、名前に隠された波乱万丈の物語、そして初心者でも美しく咲かせられる具体的な栽培方法まで、あらゆる側面からその魅力に迫ります。この一輪のバラが、あなたの庭で自由の炎を灯す日まで、丁寧に案内していきましょう。
「ラ・マルセイエーズ」の肖像 – その特徴と魅力
「ラ・マルセイエーズ」は、見た目の美しさと育てやすさを見事に両立させた、現代バラの傑作の一つです。その詳細なプロフィールを、まずは一覧で見てみましょう。この表は、あなたがこのバラを選ぶ際の確かな指針となるはずです。
「ラ・マルセイエーズ」の基本データ
| 写真 | ![]() | |
| 学名 | Rosa 'La Marseillaise' | |
| 科 | バラ科 (Rosaceae) | |
| 属名 | バラ属 (Rosa) | |
| 英名 | La Marseillaise | |
| 原産地 | ランス | |
| 開花期 | 四季咲き | |
| 花の色 | 明るい赤、真紅 | |
| 別名 | Isobel Champion | |
| 作出者 | アンドレ・デルバール=シャベール (André Delbard-Chabert), デルバール社 (Delbard) | |
| 作出国・年 | フランス、1976年発表 | |
| 系統 | ハイブリッド・ティー (HT) | |
| 花形 | 半剣弁高芯咲き | |
| 花径 | 大輪 (約8cm~13cm) | |
| 香り | 中香~強香 | |
| 花言葉 | 「情熱」「愛情」「美」「あなたを愛しています」(※一般的な赤いバラの花言葉) | |
| 誕生花 | 6月1日、12月15日など(※一般的な赤いバラの誕生花) | |
| 受賞歴 | 1976年リヨン国際バラコンクール「フランスで最も美しいバラ」賞 |
「ラ・マルセイエーズ」の写真
近所を散歩していて見かけた巻かな花を咲かせていたバラをiphone11で撮影しました。(2020年5月12日撮影)


花:燃えるような真紅の輝き
「ラ・マルセイエーズ」の最も印象的な特徴は、その花色です。それは、情熱やエネルギーを象徴するような、一点の曇りもない明るい真紅。光を受けるとビロードのような光沢を放ち、庭全体を華やかに彩ります。
花の形は「半剣弁高芯咲き」という、非常にエレガントなスタイルです。ここで専門用語を少し解説しましょう。
- 高芯咲き (こうしんざき): バラの中心部が渦を巻くように高く盛り上がって咲く形を指します。まるで貴婦人のドレスのように、立体的で優雅な印象を与えます。
- 剣弁 (けんべん): 花びらの先が、剣の先のようにスッと尖っているのが特徴です。シャープで洗練された雰囲気があります。
- 半剣弁 (はんけんべん): 「ラ・マルセイエーズ」の場合、この剣弁が「半」、つまりやや丸みを帯びており、鋭すぎない優しさを兼ね備えています。これにより、力強さの中に気品が感じられる、絶妙なバランスが生まれています。
このクラシックな花形は、ハイブリッド・ティー系統のバラの典型であり、一輪だけでも存在感は抜群です。花径は13cmにもなる大輪で、花つき、花もちも非常に良いため、長く楽しむことができます 。また、その見た目だけでなく、甘く心地よい香りも魅力の一つです 。長くしっかりとした茎に花が咲くため、切り花として室内に飾るのにも最適です。
株:強健で美しい佇まい
「ラ・マルセイエーズ」は、花だけでなく、株全体の姿も美しいバラです。その樹形は「木立性(こだちせい)」に分類されます。これは、つるバラのように伸びたり、地面を這うように広がったりするのではなく、株元から複数の太い枝がまっすぐ上に伸び、こんもりとした茂みを形成するタイプを指します。このため、花壇の主役として、あるいは大きな鉢植えでシンボルツリーのように育てるのに向いています。
生育は非常に旺盛で、初心者でも失敗が少なく、がっしりとした美しい株立ちに育ちます [1]。濃緑色で光沢のある「照り葉」は、真紅の花とのコントラストが美しく、病気でない時でも健康的な印象を与えます。
そして、このバラが初心者にとって最高のパートナーである最大の理由が、その優れた耐病性です 。バラ栽培で多くの人が悩まされる「うどんこ病」や「黒星病」といった代表的な病気に非常に強く、特別な薬剤散布に頼らなくても、健康な状態を保ちやすいのです。この育てやすさが、ガーデニングの楽しさを教えてくれる、まさに入門にふさわしい品種と言えるでしょう。
名前に秘められた物語 – フランス国歌とデルバール社の情熱
このバラの価値は、その美しさや育てやすさだけにとどまりません。その名前「ラ・マルセイエーズ」には、フランスの魂とも言える、激動の歴史と園芸家の誇りが込められています。この物語を知ることで、あなたの庭の一輪は、さらに特別な輝きを放つことになるでしょう。
フランス革命の魂、国歌「ラ・マルセイエーズ」
伝説の一夜と矛盾の作者
物語は1792年4月、フランス東部の都市ストラスブールで始まります。フランス革命政府がオーストリアに宣戦布告し、国境の街は戦争前夜の熱気に包まれていました。ストラスブール市長であったディートリヒ男爵は、出征する兵士たちの士気を高めるための歌がないことを嘆き、客人の一人であった工兵大尉クロード=ジョゼフ・ルジェ・ド・リールに作曲を依頼します。音楽の才能があったルジェ・ド・リールは、その夜、たった一晩で後に「ラ・マルセイエーズ」となる『ライン軍のための軍歌』を書き上げたのです。
しかし、ここには歴史の皮肉が隠されています。革命の象徴となるこの歌を作ったルジェ・ド・リール自身は、急進的な革命家ではなく、穏健な立憲王政派でした 。彼が作った歌は、彼の政治的信条をはるかに超えて、革命の炎を燃え上がらせるための燃料となりました。やがて革命が過激化しジャコバン派独裁の時代になると、彼は「反革命的」と見なされて投獄され、ギロチンで処刑される寸前まで追い込まれます。彼の歌がフランス全土を熱狂させている間に、作者自身は革命の犠牲者になりかけていたのです。この人間的なドラマは、「ラ・マルセイエーズ」という歌に、単なる軍歌ではない深い奥行きを与えています。
軍歌から国歌へ、そして世界の革命歌へ
当初『ライン軍のための軍歌』と呼ばれたこの歌は、驚くべき速さでフランス全土に広まりました。決定的な転機となったのは、南部の港町マルセイユからパリへと行進してきた義勇兵たちが、この歌を隊歌として歌い続けたことでした。彼らの勇壮な歌声はパリ市民の心を捉え、歌はいつしか「マルセイユの人々の歌」、すなわち「ラ・マルセイエーズ」と呼ばれるようになったのです。
その後の道のりは平坦ではありませんでした。1795年に正式に国歌として採用されるものの、ナポレオン帝政時代や王政復古期には、そのあまりに革命的な内容から歌うことを禁止されました。しかし、民衆の心から消えることはなく、1879年、第三共和政下でついにフランスの国歌として不動の地位を確立します。
その歌詞は、現代の私たちから見ると非常に好戦的で、物議を醸す部分もあります。「武器を取れ、市民らよ!」「汚れた血が、我らの畑の畝を満たすまで!」といったフレーズは、その血生臭さから、歌詞の変更を求める議論が繰り返し起きてきました。しかし、「汚れた血 (sang impur)」という表現については、単に敵の血を指すのではなく、貴族の「青い血 (sang bleu)」に対して、民衆自身の「不純な血」を誇り高く掲げ、自由のために自らの血を流す覚悟を示したという解釈も有力です。この歌は、抑圧された人々が立ち上がった自由への叫びそのものであり、フランス国民のアイデンティティの根幹をなしているのです。
その影響はフランス国内に留まりませんでした。「ラ・マルセイエーズ」のメロディと精神は国境を越え、19世紀から20世紀にかけて世界中の革命運動や解放闘争のシンボルとなりました 。ロシア革命では一時、ロシア語版の「労働者のラ・マルセイエーズ」が国歌として歌われ、中国の革命歌にも影響を与えました 。映画『カサブランカ』でのドイツ軍歌に対抗して店中の人々が「ラ・マルセイエーズ」を歌い上げる感動的なシーンや、チャイコフスキーの祝典序曲『1812年』での引用 、さらにはビートルズの『愛こそはすべて (All You Need Is Love)』の冒頭に使われるなど、文化史においても不滅の存在感を放っています。
作出者デルバール社の誇り
この偉大な名前をバラに冠したのは、フランスが世界に誇る名門園芸企業、デルバール社です。1935年にジョルジュ・デルバールによって設立された同社は、単に美しい花を作るだけでなく、家庭で育てる園芸家のために、病気に強く、強健で、栽培しやすい品種を開発することに情熱を注いできました [38, 39]。彼らの哲学は、「一株で絵になる」ような、華やかさと育てやすさを両立させたバラを世に送り出すことです [38]。
1976年に発表されたこの赤いバラは、まさにデルバール社の理想を体現したものでした。燃えるような真紅、優雅な花形、そして何よりも特筆すべき強健さと耐病性。この傑作に、同社はフランスの魂とも言える「ラ・マルセイエーズ」の名を与えました。これは、単なる命名以上の意味を持つ行為でした。このバラが持つ情熱的な色合いと力強い生命力は、国歌が持つ革命のエネルギーと自由への渇望と見事に重なります。
この選択が正しかったことは、すぐに証明されました。発表された1976年、リヨンで開催された国際バラコンクールにおいて、「ラ・マルセイエーズ」は栄誉ある「フランスで最も美しいバラ (La Plus Belle Rose de France)」賞を受賞したのです。これは、その園芸的な価値が専門家によって最高レベルで認められたことを意味します。デルバール社は、園芸的な傑作に、フランスの文化と歴史の象徴を重ね合わせることで、単なる植物ではない、一つの文化的なアイコンを創り上げたのです。私たちがこのバラを庭に植えるとき、私たちはデルバール社の園芸への情熱と、フランスという国の歴史そのものを手にすることになるのです。
初心者のための栽培完全ガイド – 「ラ・マルセイエーズ」を美しく咲かせる
その堂々たる名前とは裏腹に、「ラ・マルセイエーズ」は驚くほど育てやすく、ガーデニング初心者にとって最高のパートナーです。ここでは、その美しい花をあなたの庭で咲かせるための、全てのステップを分かりやすく解説します。
植え付け
バラ栽培の成功は、最初の植え付けにかかっています。
- 最適な時期: バラ苗には主に「大苗(休眠期に販売される裸苗や仮植えポット苗)」と「新苗(春に出回る若い苗)」があります。「ラ・マルセイエーズ」の大苗は、バラが休眠している冬(12月~2月)が植え付けの最適期です。この時期に植えることで、春からの成長に備えてじっくりと根を張ることができます。春にポット苗を購入した場合は、根鉢を崩さずに一回り大きな鉢に植え替えるか、庭に植え付けます 。
- 場所選び: バラは太陽が大好きです。最低でも1日に5~6時間以上、直射日光が当たる場所を選びましょう [15]。また、風通しの良さも重要です。葉が密集して湿気がこもると病気の原因になるため、壁際や他の植物が密集している場所は避けるのが賢明です。
- 土づくり: 水はけの良い土壌を好みます。庭植えの場合は、掘り上げた土に腐葉土や牛ふん堆肥などの有機物をたっぷりと混ぜ込み、ふかふかの土壌を作りましょう 。鉢植えの場合は、市販の「バラ専用培養土」を使うのが最も手軽で確実です 。
- 植え付けの手順:
- 庭植えなら直径・深さともに30cm程度の穴を掘ります。鉢植えなら8号~10号(直径24cm~30cm)程度の深さのある鉢を用意します 。
- 苗の根を広げ、穴や鉢の中心に置きます。
- ここで最も重要なのが、「接ぎ木(つぎき)」部分の位置です。これは苗の根元にある、こぶのように少し膨らんだ部分のことです。この接ぎ木部分が土に埋まらないよう、地面(土の表面)から5cmほど上に出るように高さを調整します。ここを埋めてしまうと、台木から「シュート」と呼ばれる意図しない枝が伸びて、本来のバラが弱る原因になります。
- 土を丁寧に戻し、株元を軽く手で押さえて固定します。
- 最後に、鉢底から水が流れ出るまで、あるいは庭植えの場合は土手を作って水が溜まるようにして、たっぷりと水を与えます。
日々の管理
植え付けが終われば、日々の少しの気配りが美しい花につながります。
- 水やり: 基本は「土の表面が乾いたら、たっぷりと」です。
- 鉢植え: 土が乾きやすいため、特に春から秋の成長期には水切れに注意が必要です。土の表面が白っぽく乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えます 。
- 庭植え: 根が育てば比較的乾燥に強くなりますが、植え付け後1年未満や、真夏に雨が降らない日が続く場合は、土が乾いたらたっぷりと水やりをします。
- 注意点: 水やりは葉や花にかけず、株元に静かに注ぐのがコツです。葉が濡れたままだと病気の原因になります。
- 肥料: バラは「肥料食い」と言われるほど、たくさんの栄養を必要とします。適切な時期に適切な肥料を与えることが、たくさんの花を咲かせる秘訣です。
- 元肥(もとごえ): 冬の植え付け時や冬剪定の際に、土に混ぜ込む肥料です。牛ふん堆肥や骨粉など、ゆっくりと効く有機質肥料が適しており、1年間の成長の基礎となります 。
- 追肥(ついひ): 春に新芽が伸び始める3月頃と、一番花が終わった後、そして秋の花のための夏剪定の後など、成長期に与える肥料です。バラ専用の固形肥料や液体肥料を使い、製品の指示に従って与えます。
- お礼肥(おれいごえ): 秋の花が終わった後に与える肥料で、「一年間きれいな花を咲かせてくれてありがとう」という感謝を込めて与えます。これにより、株が冬を越すための体力を蓄えることができます 。
- マルチング: これは、株元の土の表面をバークチップや腐葉土、わらなどで覆う作業のことです 。マルチングには、①土の乾燥を防ぐ、②雑草の発生を抑える、③雨による泥はねを防ぎ、土の中の病原菌が葉に付着するのを防ぐ、といった多くのメリットがあります。初心者こそぜひ取り入れたいテクニックです。
剪定の技術
バラ栽培の醍醐味であり、少し難しく感じるかもしれないのが「剪定」です。しかし、「ラ・マルセイエーズ」のような木立性の四季咲きバラの剪定は、目的を理解すれば決して難しくありません。
- なぜ剪定するの?: 剪定には、①風通しを良くして病気を防ぐ、②古い枝を整理して新しい元気な枝(シュート)の発生を促す、③株の形を整える、④花を咲かせたい時期をコントロールする、といった目的があります。
- 冬剪定(1月~2月): 春に美しい花をたくさん咲かせるための、最も重要な剪定です。
- まず、枯れた枝、病気の枝、鉛筆より細いような弱々しい枝を根元から切り取ります。
- 次に、内側に向かって伸びている枝や、他の枝と交差している枝を間引いて、株の中心まで光と風が通るようにします。
- 最後に、残った健康な枝を、全体の高さが今までの半分~3分の1程度になるように切り詰めます。切る位置は、外側を向いている元気な芽の5mm~1cm上を、斜めにカットします。
- 夏剪定(8月下旬~9月上旬): 秋に花を一斉に美しく咲かせるための軽い剪定です 。
- 株全体の高さの、上半分から3分の2程度の位置で、全ての枝を軽く切りそろえます 。この時、葉をある程度残すのがポイントです。この剪定から約40~50日後に、秋バラが開花します。
- 花がら摘み: これは剪定というより日常的な手入れです。咲き終わった花をそのままにしておくと、バラは種(ローズヒップ)を作るためにエネルギーを使ってしまい、次の花が咲きにくくなります 。咲き終わった花は、花首からではなく、その下にある「5枚葉」の少し上で切り取るのが基本です 。これをこまめに行うことで、次々と新しい花が咲き続けます。
病害虫からの保護
「ラ・マルセイエーズ」は病気に強い品種ですが、それでも気をつけておきたいポイントはあります。何よりも予防が大切です。
- うどんこ病・黒星病:
- 症状: うどんこ病は葉や蕾に白い粉を吹いたようになり、黒星病は葉に黒い斑点ができてやがて黄変し落葉します。
- 対策: 予防が第一です。日当たりと風通しの良い場所で育てること、水やりの際に葉に水をかけないことが基本です。発生してしまった場合は、症状が出た葉をすぐ取り除き、被害の拡大を防ぎます。市販のバラ用殺菌剤(サプロール乳剤、ダコニール1000など)を定期的に散布するのも効果的です。
- アブラムシ:
- 症状: 春先に、新芽や若い蕾に緑色や黒色の小さな虫が群がります。
- 対策: 発生初期であれば、数が少ないうちは指で潰したり、粘着テープで取り除いたりできます。水で勢いよく洗い流すのも効果的です。数が増えてしまった場合は、オルトラン水和剤などの殺虫剤を散布します 。
- ハダニ:
- 症状: 葉の裏に寄生し、葉の表面がかすれたように白っぽくなります。高温乾燥期に発生しやすい害虫です。
- 対策: ハダニは水を嫌います。普段から葉の裏にも水をかける「葉水」を行うと、予防に大きな効果があります。発生してしまった場合は、ハダニ専用の殺虫剤を葉裏中心に散布します。薬剤への抵抗性がつきやすいので、複数の薬剤を交互に使うとより効果的です 。
これらの対策をまとめた、年間の作業カレンダーを参考に、あなたのガーデニングプランを立ててみてください。
表2: 年間栽培カレンダー(関東基準)
| 月 | 主な作業 | ポイント |
|---|---|---|
| 1-2月 | 冬剪定、元肥、植え付け | 1年で最も重要な剪定。春の美しい開花のために思い切って切り詰める。有機質肥料を土に混ぜ込む。[40, 45] |
| 3-4月 | 芽かき、追肥開始 | 1か所から複数の芽が出ていたら、一番元気なものを残して他は摘み取る。成長を促す追肥を始める。[40, 42] |
| 5-6月 | 一番花、花がら摘み、お礼肥 | 最も美しい春の花を楽しむ。咲き終わった花はこまめに摘み取り、次の開花を促す。一番花が終わったらお礼肥を与える。[41, 48] |
| 7-8月 | 水切れ注意、病害虫対策 | 梅雨明け後は高温乾燥で水切れしやすい。朝夕の涼しい時間に水やり。病害虫が発生しやすい時期なので、観察を怠らない。[42, 49] |
| 9-10月 | 夏剪定、秋の開花 | 9月上旬に軽く剪定し、秋バラの準備をする。涼しくなると再び美しい花が咲き始める。開花後はお礼肥を与える。[41, 47] |
| 11-12月 | 最後の花がら摘み、寒さ対策 | 花が終わったら摘み取る。鉢植えは霜の当たらない軒下などに移動。庭植えは株元にマルチングをして防寒する。[42] |
「ラ・マルセイエーズ」の楽しみを広げる
「ラ・マルセイエーズ」を育てる楽しみは、庭で花を眺めるだけではありません。少し手間を加えることで、その魅力はさらに広がります。
切り花として室内を彩る
「ラ・マルセイエーズ」は、長くまっすぐな茎と優れた花もちから、切り花としても非常に優秀な品種です 。庭で咲いた花を数輪、部屋に飾るだけで、その空間は一気に華やぎます。
切り花を長持ちさせるコツは、清潔なハサミで、朝の涼しい時間帯に切ることです。切った後はすぐに深いバケツの水に入れ、水の中で茎の先端を斜めに切り直す「水切り」をすると、水の吸い上げが良くなります。飾る際も、清潔な花瓶を使い、こまめに水を替えてあげましょう。
挿し木で家族を増やす
ガーデニングに少し慣れてきたら、ぜひ挑戦してほしいのが「挿し木(さしき)」です。これは、剪定した枝の一部を使って、親株と全く同じ性質を持つ新しい株を育てる方法です。お気に入りの「ラ・マルセイエーズ」を増やして庭をいっぱいにしたり、友人へのプレゼントにしたりと、夢が広がります。
- 時期: 挿し木は、バラの成長が活発で、かつ湿度が高い梅雨時(6月頃)が最も成功率が高く、初心者におすすめです。冬の剪定枝を使った「休眠枝挿し」も可能ですが、管理がやや難しくなります。
- 方法(梅雨時の緑枝挿し):
- その年に伸びた、花が咲き終わったばかりの元気な枝を選びます。
- 枝を10cm~15cmほどの長さに切り、先端の葉を2~3枚残して下の葉は取り除きます。
- 茎の切り口をカッターナイフなどで斜めに切り直し、1時間ほど水につけておきます(水揚げ)。
- 切り口に「発根促進剤(ルートンなど)」を薄くつけると、成功率が上がります [51, 54]。
- 挿し木用の土(赤玉土や鹿沼土など、肥料分のない清潔な土)を入れたポットに、枝の半分くらいが埋まるように挿します。
- たっぷりと水を与え、土が乾かないように注意しながら、直射日光の当たらない明るい日陰で管理します 。
- 1~2ヶ月ほどで根が出て、新しい芽が伸びてきます。根が十分に張ったら、一回り大きな鉢に植え替えましょう 。
豆知識:バラの花は食べられる?
バラの優雅な姿と香りから、「この花びらは食べられないのだろうか?」と考える人もいるかもしれません。答えは「条件付きでイエス」です。
食用にできる花は「エディブルフラワー」と呼ばれます。しかし、これには非常に重要な注意点があります。観賞用に販売されているバラや、庭で殺虫剤・殺菌剤などの農薬を使って育てたバラは、絶対に食べてはいけません。観賞用の植物に使われる農薬は、食用を想定しておらず、人体に有害な成分が含まれている可能性があります。また、アジサイやスイセンのように、植物自体に毒性を持つものもあります。
安全にバラを食べるためには、必ず「食用」として、無農薬または食用の安全基準を満たした農薬で栽培されたエディブルフラワーを購入する必要があります。もしご自身で食用に栽培する場合は、農薬を使わずに育てるなどの徹底した管理が求められます。美しい「ラ・マルセイエーズ」は、目で見て、香りで楽しむのが最も安全で素晴らしい楽しみ方と言えるでしょう。
結論 – 歴史と美しさを、その手に
バラ「ラ・マルセイエーズ」は、単なる一品種のバラではありません。それは、その名に宿る革命の情熱的な魂と、作出者デルバール社の園芸に対する揺るぎない哲学とが見事に融合した、生きた芸術品です。燃えるような真紅の花は見る者の心を捉え、その物語は庭に知的な深みを与えます。
何よりも素晴らしいのは、この歴史的で美しいバラが、驚くほど強健で育てやすいという事実です。優れた耐病性と旺盛な生命力は、バラ栽培の初心者が抱く不安を和らげ、育てる喜びと成功の体験を力強く後押ししてくれます。
あなたの手で「ラ・マルセイエーズ」を育てることは、単に庭に彩りを加える以上の意味を持ちます。それは、自由と情熱の象徴を自らの手で育み、日々の暮らしの中で歴史の息吹を感じるということです。この一輪が咲くとき、あなたの庭は、美しさと物語が共鳴する特別な空間になることでしょう。
参考資料
- バラ苗 ラ マルセイエーズ | 【公式】白馬のナーセリー ホワイト・ベアー, https://whitebear-rose.jp/ht218.html
- 【楽天市場】バラ苗 【ラ マルセイエーズ (HT) 大苗】 2年生 接ぎ木大苗 薔薇 ローズ バラ の 苗, https://item.rakuten.co.jp/baranoie/1009482/
- ラ マルセイエーズ – バラとクレマチスの専門販売店「バラの家」, https://www.baranoie.com/shopdetail/000000002285/
- 『ラ・マルセイエーズ物語 革命的賛歌の誕生物語』(渡辺 和幸)の感想 – ブクログ, https://bookmeter.com/b/4121011910
- ラ・マルセイエーズ – Wikipedia, https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%82%BA
- 大輪の薔薇 ラ・マルセイエーズ – HT La Marseillaise | ローザ麗子のブログ, https://ameblo.jp/elegant-rosace/entry-11958506055.html
- La Marseillaise | Victoria State Rose Garden, Werribee Park, https://www.vicstaterosegarden.com.au/la-marseillaise
- ‘La Marseillaise ®’ rose Description – HelpMeFind, https://www.helpmefind.com/rose/l.php?l=2.23447.2
- Роза La Marseillaise (Ле Марсееза) – Kamelia-gardens.ru, https://www.kamelia-gardens.ru/catalog/hybrid-tea-rose/rosa-la-marseillaise.html
- YEG【春バラ:ラ・マルセイエーズ】20220514 – 写真共有サイト「フォトヒト」, https://photohito.com/photo/11100572/
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- Rose ‘La Marseillaise®’ 3ft Standard – The Tutu Guru, https://www.thetutuguru.com.au/shop/rose-la-marseillaise-3ft-standard/
- La Marseillaise ® hybrid tea rose – Rose.it, https://en.rose.it/hybrid-tea-roses/la-marseillaise
- Rose ‘La Marseillaise®’ Bush Form Growers Flash Sale! – The Tutu Guru, https://www.thetutuguru.com.au/shop/rose-la-marseillaise-bush-form-growers-flash-sale/
- Rose La Marseillaise – Garden Express, https://www.gardenexpress.com.au/product/rose-la-marseillaise/
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- What is the meaning of “qu’un sang impure” in La Marseilles? – Quora, https://www.quora.com/What-is-the-meaning-of-quuon-sang-impure-in-La-Marseilles
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- バラの花言葉|色・本数・部位・組み合わせ別の意味や由来、値段の相場も – PRRR, https://prrr.jp/note/bouquet/1060/
- 【色・本数・組み合わせ別】バラの花言葉!結婚式やプロポーズに贈りたいバラの意味 – みんなのウェディング, https://www.mwed.jp/articles/13074/
- 赤いバラの花言葉は「あなたを愛してる」だけじゃない!本数や贈り方…, https://hanahyakka.com/Form/Story/rose/akai-bara-hana-kotoba




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