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コリアンダー:おうちで育てる魅惑のエスニックハーブ、その隠れた魅力と育て方のコツ

白色系の花

コリアンダーのPodcast

下記のPodcastは、Geminiで作成しました。

はじめに

この記事では、世界中で愛される魅力的な植物であるコリアンダーに焦点を当て、その多様な種類、家庭での育て方、そして花言葉や文化的な背景について深く掘り下げていきます 。コリアンダーの独特で鮮やかな香りと、愛らしく可憐な花の形態は、古くから多くの人々を魅了してきました。この記事を通じて、コリアンダーの新たな一面を発見し、その奥深い世界に触れてみましょう。

コリアンダーの基本情報

コリアンダーは、その個性的な香りと、初心者でも比較的簡単に挑戦できる育てやすさから、世界各地の家庭菜園で親しまれている植物です 。ここでは、コリアンダーをより深く理解するために欠かせない、基本的なプロフィールを一覧表に整理しました。

写真
学名Coriandrum sativum L.
セリ科
属名コエンドロ属
英名Coriander
原産地地中海沿岸、中東、南ヨーロッパ
植物分類セリ科の一年草(または越年草:秋に発芽して冬を越し、翌春に開花する植物)
開花期5月~11月(主に初夏の6月~8月頃に最盛期を迎えます)
花色白、淡紅色(淡いピンク色)
別名コエンドロ 、パクチー 、シャンツァイ(香菜) 、中国パセリ 、カメムシソウ 、胡荽(コスイ)
花言葉「隠れた才能」「隠れた長所」「隠れた価値」「隠れた美点」「辛辣」
誕生花の月日3月19日、6月12日、12月4日

コリアンダーの画像

下記は、Geminiで描いた画像です。

主な種類

コリアンダーとその近縁ハーブ、あるいは味わいが非常に似ていて代替として使われる植物は、その生育する環境や形態によっていくつかの代表的なタイプに分類されます 。

  • タイプA:コリアンダー(基本種)特徴や見頃、主な用途など:一般的に「パクチー」や「コリアンダー」として店頭に並ぶセリ科の一年草です 。春や秋が栽培の適期であり、成長段階によって異なる形状の葉を茂らせます 。若くて柔らかい生の葉や茎は東南アジア料理の薬味やサラダに、完熟させて茶色くなった種子はマイルドで柑橘系の香りがするスパイスとして多用されます 。
  • タイプB:のこぎりコリアンダー(オオバコエンドロ)特徴や見頃、主な用途など:熱帯アメリカが原産で、葉の縁がギザギザとしたノコギリの刃のようになっている近縁種です 。一般的なコリアンダーよりも香りが非常に強く、普通のコリアンダーが加熱によって香りが弱まるのに対し、のこぎりコリアンダーは加熱することで香りがさらに強くなるというユニークな性質を持っています 。そのため、東南アジアのスープや煮込み料理に刻んで入れる用途で重宝されます 。
  • タイプC:ベトナムコリアンダー(ベトナムパクチー)特徴や見頃、主な用途など:植物分類上はタデ科に属する全く別の植物ですが、コリアンダーにきわめてよく似た香りと、独特の少しピリッとした辛味を併せ持っています 。普通のコリアンダーよりも暑さに強く丈夫なため、熱帯地域でパクチーの代用ハーブとして古くからスープや生春巻きなどのアクセントに用いられています 。

コリアンダーの形態描写:その多様な美しさ

コリアンダーは、その独特な成長段階の変化と、上品で繊細な花の構造によって、見る人に多様な美しさを見せてくれます 。

花の構造と色彩

コリアンダーの花は、開花期である5月から11月にかけて、白やごく淡いピンク色(淡紅色)をした非常に小さな花を咲かせます 。花の付き方は「複散形花序(ふくさんけいかじょ)」と呼ばれる、傘の骨のように放射状に細かく広がった枝の先に、さらに小さな花がドーム状に密集して咲く上品な構造を持っています 。

一見すると可憐な白いレースのフラワーアレンジメントのように美しく、独特の強い香気を持つ生の葉からは想像がつかないほどの繊細な美しさを備えています 。この細かく咲きこぼれる花自体には生の葉のような強烈な匂いはなく、成熟して結実するにつれて、レモンを思わせる爽やかで甘い香りに変化していきます 。

葉の多様性と質感

コリアンダーの最も興味深い形態的特徴は、成長のプロセスに従って葉の形が劇的に変化する点にあります 。

株の下部に生い茂る「下位葉(かいよう:初期の段階で下の方に茂る葉)」は、パセリに非常によく似た形をしており、丸みを帯びた幅の広い羽状の葉に大きな切れ込みが入っています 。質感は非常に瑞々しく、柔らかいのが特徴です 。

しかし、植物が成熟し、茎がまっすぐに立って「トウ立ち(とうだち:花を咲かせるために茎が急速に伸びること)」の準備に入ると、茎の上部に生えてくる「上位葉(じょういよう)」は、まるで糸のように細く切れ込んだ3回羽状複葉へと変化します 。この細い上位葉は非常に軽やかで風通しが良く、光を効率的に浴びて美しいコントラストを描き出します 。

【コリアンダーの全体像と成長に伴う葉の形状変化(下位葉と上位葉の違い)】

コリアンダーの生態・生育サイクル

コリアンダーの爽やかな美味しさと可憐な姿を家庭で引き出すためには、その生態と生育サイクルをよく理解することが大切です 。

適切な環境と育て方

  • 日照:基本的には日当たりと風通しの良い、明るい環境を好みます 。ただし、あまりに強すぎる極端な夏の直射日光は苦手なため、真夏の間は午前中だけ光が当たり、午後は日陰になる「半日陰(はんひかげ)」で管理してあげるのが理想的です 。日当たりがやや制限される場所であっても栽培は可能で、その場合はむしろ葉が硬くなりにくく、サラダにぴったりの柔らかい葉に育ちます 。
  • 水やり:コリアンダーは水を好む植物ですが、鉢の中が常に水でびしょびしょになっているような過湿(かしつ)環境を嫌います 。プランター栽培の場合は、土の表面がしっかり乾いたのを確認してから、鉢底から水が溢れ出るくらいたっぷりと与えてください 。水やりは基本的に朝の10時頃までに行うのがコツです 。夕方以降に水やりをすると、夜間に土が湿ったままになり、株がひょろひょろと軟弱に育って病気にかかりやすくなるからです 。真夏の暑い時期や、株が大きく育って一晩で土がカラカラに乾いてしまう場合に限り、朝と夕方の2回に分けてこまめに水を与えます 。
  • 土:蒸れやカビを防止するため、水はけ(排水性)が良く、かつ適度な水分を保てる水持ちの良い、栄養を豊富に含んだ土が適しています 。また、中性に近い弱酸性(pH5.5~7.0)の土壌を好むため、強い酸性の土では育ちが極端に悪くなります 。畑や地植えで育てる場合は、植え付けの2週間以上前に苦土石灰(くどせっかい:土壌を中和するアルカリ性の園芸資材)を1平方メートルあたり100g~200g混ぜて、よく耕しておきましょう 。プランターや鉢植えなら、園芸店で購入できる「ハーブ用の培養土」や「野菜用の培養土」が最も簡単で失敗がありません 。
  • 肥料:若葉をたくさん茂らせるために、植え付け時にあらかじめ土に「元肥(もとごえ:最初の土づくりの段階で混ぜる肥料)」として有機質の栄養を十分に施しておきます 。種まきから1カ月半ほどで手軽に収穫できるため、一般的な家庭栽培では途中で肥料を足す「追肥(ついひ)」は必要ありません 。ただし、種を採るために長期間栽培を続ける場合や、何度も刈り取って収穫を繰り返す場合は、月に1回を目安として化成肥料を少量土に混ぜるか、薄めた液体肥料を与えて株が疲れないように調整します 。
  • 温度:発芽に適した温度は17℃~20℃(または20℃前後)、健やかに生長する生育適温は15℃~25℃(または18℃~25℃)です 。

【コリアンダー栽培における季節ごとの適切な水やり頻度と水分量】

季節ごとの管理

  • 春:3月~4月は種まき・植え付けの大きな適期です 。春まきは気温の上昇とともにみるみるうちに大きく育つため初心者にも育てやすいですが、暖かくなるとすぐにトウ立ちして花が咲き、葉が堅くなってしまうため、若くて瑞々しい時期を逃さずに早めに収穫を繰り返すことが長く楽しむポイントです 。
  • 夏:日本の高温多湿な夏は大の苦手です 。気温が30℃を超えると生育がほとんど止まり、強い西日や直射日光で枯れてしまうため、50%程度の遮光ネットで日よけを作るか、涼しい半日陰にプランターを避難させます 。また、梅雨の時期や夕立などの激しい雨が降ると、雨粒で跳ね上がった土の泥がデリケートな葉の裏に付着し、そこからカビによる「立ち枯れ病(たちがれびょう)」などの深刻な病気を発症しやすくなります 。これを防ぐため、鉢を雨の当たらない場所に移動するか、株元に敷きわらを敷いてマルチング(土の表面を覆うこと)をして泥はねを防ぎます 。
  • 秋:9月中旬~10月は、家庭園芸において最もおすすめの種まきシーズンです 。秋まきは涼しい環境のなかでじっくりと根を張るため、すぐにトウ立ちすることがありません 。冬を迎える前に美味しい若葉を収穫でき、さらに冬を越した後の翌春からも長期間にわたって素晴らしい収穫期を楽しむことができます 。
  • 冬:コリアンダーは比較的寒さに耐える性質がありますが、冷たい霜(しも)に何度も当たると葉が凍ってドロドロに溶け、枯れてしまいます 。地植えの場合は不織布(ふしょくふ:園芸用の軽い保温用布)やビニールをトンネル状に被せて保温し、鉢やプランター栽培の場合は室内の日当たりの良い暖かい窓辺に移動させて寒風や霜から守りながら管理します 。

繁殖方法

  • 挿し木:スーパーなどで購入した根の付いたコリアンダーの株がある場合、これを有効に利用して増やすことができます 。根付きの茎を水の入った空きビンなどに挿し、根がしっかり浸かるようにして毎日水を取り替えます 。およそ10日ほどで新しい根が伸び、新しい若葉が動き出すため、これを丁寧に土に植え替える(再生栽培:さいせいさいばい)ことで、手軽に株を増殖させることができます 。
  • 葉挿し:コリアンダーはセリ科の一年草であり、葉の柄(へい)や葉先だけを切り取って土に挿し、そこから新しい根や株を再生させる「葉挿し(はざし)」による繁殖は、植物生理の特性上不可能です 。株を効率的に増やしたい場合は、健康に育てた親株から開花後にたくさんの種を収穫してまくのが最も確実で簡単なアプローチです 。
  • 種まき:コリアンダーの種は、丸い硬い殻(果皮)に包まれており、この1つの殻の中に実は2つの本質的な種が入っています 。そのため、丸いまままいてしまうと、発芽が揃うまでに10日〜14日以上もかかり、乾燥によって失敗しやすくなります 。そこで、種を平らな板やコップの底で優しくこするように転がし、中の種を傷つけないように気をつけながら殻を半分に「2つに割って」からまくのがプロのテクニックです 。割った種を一晩(数時間〜一晩)水に浸して十分に水分を吸わせることで、発芽率を格段に向上させることができます 。種を植える時は、深さ約1cmの溝を作って1cm間隔で並べる「筋まき(すじまき)」にし、土をごく薄く(約5mm)被せて霧吹きでやさしく水やりをします 。種は発芽に光を必要とする「好光性種子(こうこうせいしゅし)」であるため、深く土を被せすぎないように注意し、新聞紙などを被せて発芽するまで土が乾かないようにこまめに管理します 。
  • 株分け:コリアンダーの根は、細い根が少なく、一本の太い根がまっすぐ地下深くへ伸びていく「直根性(ちょっこんせい)」の性質を持っています 。この主根(太い根)が少しでも傷つくと、水分や栄養を吸い上げる能力が急激に失われ、そのまま枯死してしまいます 。したがって、鉢から抜いて根を分ける「株分け」を行うと高確率で失敗するため、コリアンダーにおいて株分けによる繁殖は行うべきではありません 。基本的に、植え付けを行いたい場所やプランターに直接種をまく「直まき(じかまき)」で育てるのが、根を傷めず最も生き生きと育てる賢い方法です 。

【発芽率を倍増させるコリアンダーの種の処理方法(殻割りと浸水)】

コリアンダーの花言葉・文化・歴史

コリアンダーは、その類稀なる味わいや美しい花の姿だけでなく、世界中の人々と歩んできた非常に深みのある歴史や文化的な背景を持っています 。

花言葉とその意味

  • 代表的な花言葉:「隠れた才能」「隠れた長所」「隠れた価値」「隠れた美点」コリアンダーは、一般的にはその強い癖のある香りを持つ生の葉や茎ばかりが料理でクローズアップされ、多くの人々に注目されます 。しかし、その陰で咲く白や淡いピンクの小さくて上品な花そのものは目立たず、普段は見過ごされがちです 。この「一見して気づきにくいけれど、実は息をのむほどに美しく繊細な花を咲かせる」という特徴的なギャップこそが、これらの前向きで素晴らしい花言葉の由来となっています 。また、カメムシを思わせる独特な匂いの裏側に、極めて豊富な抗酸化物質や多様な栄養成分といった「隠れた効果効能」がぎっしりと詰まっていることも、この言葉を強く象徴しています 。
  • その他の花言葉:「辛辣(しんらつ)」「相手に対する表現や見方が非常に厳しく、突き刺さるような様子」を意味する言葉ですが、コリアンダーを口に入れたときに感じるあの強烈な風味や、アグレッシブでエスニックな香りそのものがきわめて刺激的であることから、このユニークな花言葉が付けられました 。
  • 色別の花言葉:薔薇(バラ)のように花の色(白や淡紅色)ごとに細かく分かれた個別の花言葉は設定されておらず、上記の代表的な花言葉がコリアンダー全般の共通のメッセージとして親しまれています 。

誕生花としてのコリアンダー

コリアンダーは、3月19日、6月12日、12月4日の誕生花として登録されています 。

新社会人としてスタートを切る人や、何かに向かって黙々と努力を重ねている大切な人に向けて、「あなたの内に秘めた素晴らしい才能を、私は誰よりも知っていますよ」「あなたの隠れた長所が、これからもっと開花しますように」という温かく心強いエールを添えて、フレッシュなコリアンダーの鉢植えや、お洒落なハーブブーケをプレゼントするのに非常に適した誕生花です 。

文化・歴史的背景

  • 命名の由来:属名である『Coriandrum』は、古代ギリシャ語で虫(特にカメムシや南京虫)を意味する「Koris」と、非常に香りの強いアニスの実を意味する「Annon」の2つの単語が合わさって生まれた言葉とされています 。古今東西を問わず、人類がコリアンダーの葉の持つ強い個性を「虫の匂い」として捉え、付き合ってきた長い歴史が、学名の語源そのものにダイレクトに刻み込まれているのは非常に面白いポイントです 。
  • 歴史的なエピソード:コリアンダーは「人類が最も古くから用いてきた最古のスパイス」の一つに数えられ、古代エジプトのピラミッドや遺跡からもその乾燥した種子が発掘されています 。医学の父として高名な古代ギリシャのヒポクラテス(紀元前460年〜370年頃)も、コリアンダーの種子が持つ優れた消化促進作用や「胸やけを防止する」といった高いメディカル効果を自著で熱心に説いていました 。
  • 日本における歴史:日本における歴史も極めて古く、平安時代中期(10世紀頃)に編纂された格式高い律令の細則『延喜式(えんきしき)』や、源順(みなもとのしたごう)がまとめた我が国最古の辞書『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』に「胡荌(こずい)」の名称で明確に記述が残されています 。当時は、朝廷での高貴な食事において、生の魚(刺身)を安全に、かつ美味しく食べるために絶対に欠かすことのできない最重要の薬味(消臭・殺菌を兼ねたもの)として実用的に用いられていました 。江戸時代に入ると、高名な学者である貝原益軒(かいばらえきけん)がその著書『大和本草』の中で、ポルトガル語の「coentro(コエントロ)」という言葉が鎖国前の日本に伝わり、それが訛って和名の「コエンドロ」となったという深い言語的・歴史的な考察を解説しています 。
  • 現代での人気や利用:現在では、英語名の「コリアンダー」の他にも、タイ料理ブームとともに一気に広まった「パクチー」というタイ語の呼称や、中華料理の「シャンツァイ(香菜)」という呼び名で広く親しまれています 。日本においてもその非常に強い個性の虜になる愛好家が急増し、現代のエスニック料理や創作和食のシーンでもその地位を不動のものにしています 。

コリアンダーの利用法

コリアンダーは、お庭を飾る美しい景観ハーブとしての役割だけに留まらず、私たちの日常の暮らしや健康を様々に彩る実用的な機能性を備えています 。

ガーデニングと室内装飾

  • 花壇・寄せ植え:コリアンダーの細かく切れ込んだ繊細な上位葉と、その先に咲くドーム状の白い花は、ナチュラルガーデンにおいて他のカラフルな花や他のハーブ(タイムやローズマリーなど)を引き立てる非常に上品な背景素材として美しく調和します 。
  • 吊り鉢(ハンギングバスケット):蒸れや多湿が苦手なコリアンダーの性質を考慮すると、空中に吊るして育てる「ハンギングバスケット」は大変合理的なインテリア園芸の手法です 。鉢の周囲を常に空気が通り抜けるため、余分な湿気がこもらず、カビによる立ち枯れ病などの病害を効果的に防ぎながら健康に育てることができます 。
  • 室内鉢植え:直径15cm(5号丸鉢)程度の鉢に1株を植え 、日当たりの良いキッチンの窓辺に置いて育てる「キッチンハーブ栽培」は初心者に最適です 。必要な時にいつでも新鮮な生の葉を指やハサミで優しく摘み取って、スープやカレーにフレッシュな風味を添えることができます 。室内の優しい光の中で育てられた株は、屋外のものに比べて葉がさらに柔らかく育つという嬉しいメリットもあります 。
  • テラリウム:ガラスなどの半密閉容器の中で植物を育てるテラリウム栽培はとてもお洒落ですが、過湿を嫌うコリアンダーには少し注意が必要です 。テラリウムに用いる場合は、上部が完全に大きく開いた「オープン型テラリウム」を採用し、水はけの良い目の粗い土を使い、水やりを最小限に抑えて風通しの良い明るい場所に飾ることで、ミニチュアの観賞用としてインテリアに映える美しい姿を長くキープできます 。

エディブルフラワーとしての可能性

  • 食用としての利用例:コリアンダーの初夏に咲く小さく愛らしい白やピンクの花は、すべて「エディブルフラワー(食用花)」として美味しく安全に食べることができます 。収穫したばかりの新鮮な花をそのままサラダのトッピングに散らしたり、前菜やパスタ、アジア風のスープの仕上げに飾り付けることで、まるでお洒落なレストランの皿のような非常に華やかで魅力的な演出が叶います 。
  • 注意点:花は、生の葉のような強烈なカメムシに似た香りはほとんどなく、驚くほどマイルドで、レモンやオレンジを思わせる非常に甘く爽やかな柑橘系の香気を持っています 。そのため、生のパクチーの強い匂いがどうしても苦手という方でも、この花であれば全く抵抗なく美味しく楽しむことができます 。ただし、植物が花を咲かせて実を結ぶフェーズ(トウ立ち)に入ると、株全体の生存エネルギーがそちらに全て集中してしまい、これまで茂っていた生の葉や茎が一気に繊維質になって硬くなり、生のハーブとしての寿命(収穫期)は終了を迎えてしまいます 。そのため、できるだけ長い間、柔らかくて美味しい生の葉を継続して収穫したい場合は、花芽(はなめ:蕾になる部分)が伸びてくるのをこまめに発見し、見つけ次第指先で優しく「摘み取る(ピンチする)」ことが、収穫期間を大幅に延ばすための必須のテクニックです 。

薬用・伝統的利用

  • 民間療法や伝統的な使い方:コリアンダーは、単なる食材の枠を越え、何千年も前から人類の不調をケアする強力な「生薬(しょうやく)」として広く世界で愛用されてきました 。中国の古い伝統的な医学書である『嘉祐本草』や、李時珍が記した大著『本草綱目』には、乾燥した成熟種子である「胡荽子(こずいし)」や植物全体の優れた効能として、五臓の乱れを整え、胃の腑(ふ)の働きを高めて食べ物の消化を助け(健胃)、お腹の中に溜まった余分なガスや不快な張りをスッキリと排出し(駆風)、さらに風邪の初期に熱や毒素を皮膚から体外へ優しく発散させてクリアにする素晴らしい発表作用があることが詳細に記録されています 。インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」においても、コリアンダーは体内の過剰な「熱(ピッタとよばれる火のエネルギー)」をスマートに冷まし、内臓を健やかにクールダウンさせる極めて安全で重宝される解毒スパイスとして位置づけられています 。
  • 現代医学的な注意点:近年の科学的・薬学的な研究により、コリアンダーが持つ優れた健康機能が次々と証明されています 。葉や実から抽出される精油に含まれるリナロールやゲラニオールといった高貴な芳香成分には、胃液や胆汁の分泌を強力に促進して消化を健やかに軌道に乗せる(消化促進)効果があります 。また、豊富に含まれるベータカロテン、ビタミンC・E、ケルセチンといった極めて強力な抗酸化物質が、体内のサビ(老化や病変の原因となるフリーラジカル)を効率よく除去し、血圧の適正なコントロール、悪玉コレステロール値や中性脂肪の低下、さらには血糖値の安定維持を強力にサポートしてくれることが研究で実証されています 。さらに、血液の凝固や骨の健康維持に欠かせない重要なビタミンKも豊富に補給できます 。ただし、多量に摂取しすぎると胃を刺激することがあるほか、セリ科の植物であるため、セリ科アレルギー(ニンジンやセロリ等に反応する方)をお持ちの方は過敏な反応が生じるリスクがあるため十分な配慮が必要です 。

【コリアンダーの日常を豊かにする3大利用法(フレッシュハーブ、エディブルフラワー、スパイスシード)】

まとめ: 尽きない魅力

この記事では、コリアンダー(パクチー)の多様な魅力や種類、そして家庭栽培で失敗しないための丁寧な育て方と、その背後にある深い文化的・歴史的なストーリーについて解説しました 。

コリアンダーは、生の瑞々しい若葉をフレッシュハーブ(パクチー)として楽しむだけでなく、初夏に咲く上品な白やピンクの可憐な花をマイルドな食用花(エディブルフラワー)として散らし、最後に完熟した種を極上のスパイス(コリアンダーシード)として余すところなく活用できる、まさに「一株で三度美味しい」尽きない魅力を持った奇跡の植物です 。

「移植を嫌う直根性であるため直まきすること」や、「土のはね返りを防ぎ、過湿にならないよう朝に水やりをすること」といった、いくつかのシンプルな園芸上のルールさえしっかりと理解して実践すれば、初心者でもベランダやキッチンの小さなプランターで大満足の収穫を手に入れることができます 。

ぜひ、あなたもご自宅のプランターでコリアンダーを大切に育てて、毎日の食卓をもっと健康的で、エキゾチックな彩りに満ちた楽しいものにしてみてはいかがでしょうか 。

参考資料

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  33. 内田和漢薬「生薬の玉手箱:胡荽子」:https://www.uchidawakanyaku.co.jp/kampo/tamatebako/shoyaku.html?page=319
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