チェリーセージ・ホットリップス：育て方から楽しむヒントまで徹底解説

チェリーセージ・ホットリップス：育て方から楽しむヒントまで徹底解説のPodcast
はじめに
チェリーセージ・ホットリップスの基本情報
チェリーセージ・ホットリップスの形態描写: その多様な美しさ
1. 唇のような花とユニークな色彩変化の秘密
2. 香り高い葉と株姿
チェリーセージ・ホットリップスの生態・生育サイクル
チェリーセージ・ホットリップスの花言葉・文化・歴史
チェリーセージ・ホットリップスの利用法
1. ガーデニングでの楽しみ方
2. エディブルフラワーやハーブとしての可能性と注意点
まとめ: 尽きない魅力
参考資料

チェリーセージ・ホットリップス：育て方から楽しむヒントまで徹底解説のPodcast

下記のPodcastは、NotebookLM又はGeminiで作成しました。

はじめに

この記事では、世界中で愛される魅力的なハーブ、チェリーセージ・ホットリップスに焦点を当て、その育てやすさ、ユニークな花の秘密、そして私たちの暮らしを豊かにするさまざまな利用法について、深く掘り下げていきます。チェリーセージ・ホットリップスの最大の特徴は、なんといってもその花色です。気温の変化に応じて、鮮やかな赤一色になったり、純白になったり、そして赤と白の愛らしいツートンカラーになったりと、まるで魔法のように姿を変えて見る人を楽しませてくれます。

春から晩秋までという非常に長い期間にわたって次々と花を咲かせ、丈夫で育てやすいことから、ガーデニング初心者の方にも心からおすすめできる植物です。この記事を通じて、チェリーセージ・ホットリップスの新たな一面を発見し、その奥深い世界に触れてみませんか？この一株が、あなたのガーデンライフにきっと素晴らしい彩りと喜びをもたらしてくれることでしょう。

チェリーセージ・ホットリップスの基本情報

チェリーセージ・ホットリップスは、その育てやすさとユニークな美しさから、世界中のガーデナーに親しまれている植物です。まずは、この魅力的な植物を深く知るための基本情報を、分かりやすく表にまとめました。

チェリーセージ・ホットリップスの基本データ

写真
学名	Salvia microphylla 'Hot Lips'
科	シソ科 (Lamiaceae)
属名	アキギリ属 (Salvia)
英名	Hot Lips Sage, Littleleaf Sage
原産地	メキシコ、米国南東部アリゾナ州
開花期	4月～7月、9月～11月
花の色	赤と白の二色。気温により赤一色や白一色に変化
別名	チェリーセージ、オータムセージ (Autumn Sage)、ベビーセージ (Baby Sage)
花言葉	「燃ゆる思い」「尊重」「知恵」
誕生花	10月5日, 11月5日, 11月6日, 12月18日

チェリーセージ・ホットリップスの写真

根本が白で先が赤の変わった形の花を咲かせていました。これをiphone11で撮影しインターネットで調べましたので紹介します。（2020年5月14日撮影）

下記は、2022年10月19日北軽井沢別荘に向かう途中の横川SAの花のガーデンで見かけた赤色の「チェリーセイジ」をXiaomi Redmi Note 10 Proで撮影しました。

下記は、2023年5月13日の朝の散歩で見かけた「サルビア・ミクロフィラ」（Google の画像検索による）をXiaomi Redmi Note 10 Proで撮影した写真です。

主な特徴と魅力

基本情報を踏まえた上で、チェリーセージ・ホットリップスがなぜこれほどまでに愛されるのか、その魅力をさらに詳しく見ていきましょう。

忘れられないユニークな花：何と言っても一番の魅力は、その唇（リップ）のような形をした愛らしい花です。そして、季節や気温によって赤と白のバランスが変化し、一株で様々な表情を見せてくれる点は、他の植物にはない大きな楽しみです。
触れるたびに香る葉：花だけでなく、葉にも魅力があります。葉に軽く触れたり、指で揉んだりすると、サクランボやカシスに例えられるフルーティーで甘い香りが漂います。庭仕事の合間にふと香る匂いは、心を和ませてくれるでしょう。
驚くほど長い開花期間：春の訪れとともに咲き始め、真夏に少しお休みを挟みながらも、霜が降りる晩秋まで咲き続ける驚異的なスタミナを持っています。ガーデニングにおいて、これほど長く庭を彩ってくれる植物は大変貴重です。
庭に生命を呼び込む：蜜が豊富なその花は、ハチや蝶、そして特にハチドリ（日本ではメジロなどが代わりに来ることも）といった花蜜を好む生き物たちを庭に呼び寄せます。生き生きとした庭の生態系作りに貢献してくれる存在です。

チェリーセージ・ホットリップスの形態描写: その多様な美しさ

チェリーセージ・ホットリップスは、その独特な花の形と色彩、そして香り高い葉によって、見る人に多様な美しさを見せてくれます。ここでは、その形態的な特徴を詳しく解説します。

唇のような花とユニークな色彩変化の秘密

チェリーセージ・ホットリップスの花は、シソ科の植物に特有の「唇形花（しんけいか）」と呼ばれる形をしています。これは、花びらが上下に分かれ、まるで開いた唇のように見えることから名付けられました。特に「ホットリップス」という品種名は、下の花びらの鮮やかな赤色が、情熱的な口紅を塗った唇を連想させることに由来しています。

この花の最も不思議で魅力的な点は、気温によって花色が変わることです。この現象の鍵を握っているのは、「アントシアニン」という赤色や紫色を発色させる植物色素です。科学的な研究によれば、アントシアニンの生成は温度に影響を受けることが知られています。

簡単に言うと、次のような仕組みで色が変化すると考えられています。

春や秋の涼しい時期：アントシアニンの生成が穏やかになり、花の一部が色素を持たない「白」になります。これにより、赤と白の美しいツートンカラーが生まれます。
夏の暑い時期：高温になるとアントシアニンの生成が活発になる、あるいは白色を発現させるメカニズムが抑制されるため、花全体が鮮やかな赤一色になりやすくなります。
気温がさらに低い場合：逆に、低温期にはアントシアニンの生成が抑制され、白一色の花が咲くこともあります。

このように、花色の変化は単なる気まぐれではなく、植物が環境に適応するための生理的な反応なのです。日々の気温の変化を、庭のホットリップスの花色で感じ取ることができるのは、この植物を育てる上での大きな喜びと言えるでしょう。

香り高い葉と株姿

花に注目が集まりがちですが、葉や株全体の姿もチェリーセージ・ホットリップスの魅力を構成する重要な要素です。

葉は、長さ2〜3cmほどの小さな卵形（Ovate）で、縁には細かいギザギザ（鋸歯）があります。表面には細かな毛が生えており、柔らかい手触りです。そして前述の通り、この葉を軽くこするとチェリーやカシスに似た甘く爽やかな香りが立ち上ります。この香りのため、ガーデニングでは通路脇など、人が通る際に軽く触れる場所に植えるのもおすすめです。

株の全体像は「半常緑低木」に分類されます。これは、暖かい地域では冬でも葉を保ちますが、寒冷地では冬に地上部が枯れて落葉する性質を持つことを意味します。生育旺盛で、剪定をしないと枝がどんどん伸び、時間が経つにつれて株元の茎が硬く茶色い「木質化（もくしつか）」という状態になります。木質化した古い枝は花の付きが悪くなるため、定期的な剪定によって新しい枝の発生を促すことが、美しい株姿とたくさんの花を長く楽しむための秘訣となります。この点については、後の「季節ごとの管理」で詳しく解説します。

チェリーセージ・ホットリップスの生態・生育サイクル

チェリーセージ・ホットリップスの美しさを最大限に引き出すためには、その生態と生育サイクルを理解し、適切な手入れを行うことが重要です。ここでは、初心者の方でも安心して育てられるよう、具体的な管理方法を解説します。

適切な環境と育て方

原産地の環境を参考にすると、この植物が好む環境が見えてきます。ポイントは「太陽」と「水はけ」です。

日照 (Sunlight) 日当たりと風通しの良い場所を最も好みます。一日に最低でも6時間程度の日光が当たる場所が理想で、日照時間が長いほど花付きが良くなります。ただし、日本の真夏のような極端な西日が当たる場所では、葉が傷むことがあります。そのような環境では、午後に少し日陰になるような半日陰の場所でも十分に育ちます。
水やり (Watering) 乾燥に強い性質を持っているため、水のやりすぎは禁物です。特に、根が常に湿った状態にあると「根腐れ」という病気の原因になります。水やりの基本は、「土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与える」ことです。
- 鉢植えの場合：土が乾きやすいので、春と秋は1〜2日に1回、夏は毎日、冬は土の乾き具合を見ながら数日に1回が目安です。
- 地植えの場合：一度根付いてしまえば、基本的に雨水だけで十分です。ただし、何週間も雨が降らず、土がカラカラに乾いている猛暑期には、朝か夕方の涼しい時間帯に水やりをしてください。
土 (Soil) 最も重要なのは「水はけの良さ」です。市販されている「ハーブ用の土」や「草花用の培養土」で問題ありません。もしご自身で土を配合する場合は、「赤玉土（小粒）6：腐葉土3：パーライト1」のような水はけを意識した配合がおすすめです。パーライトや砂を混ぜ込むことで、土の中の空気の通り道が確保され、根腐れを防ぎます。また、ややアルカリ性の土壌を好むため、日本の酸性に傾きがちな土壌の場合は、植え付けの2週間ほど前に「苦土石灰（くどせっかい）」を少量混ぜ込んでおくと生育が良くなります。
肥料 (Fertilizer) たくさんの肥料を必要とする植物ではありません。むしろ、肥料が多すぎると、葉ばかりが茂ってしまい、花付きが悪くなることがあります。
- 元肥（もとごえ）：植え付けの際に、土にゆっくりと効果が持続する「緩効性肥料（かんこうせいひりょう）」を混ぜ込んでおけば十分です。
- 追肥（ついひ）：鉢植えで育てていて、生育期に葉の色が薄くなってきたと感じる場合は、春と秋に規定量の液体肥料か緩効性肥料を少量与える程度で良いでしょう。
温度 (Temperature) 暑さには非常に強いですが、猛暑が続くと一時的に花が咲かなくなることがあります。耐寒性は中程度で、マイナス5℃からマイナス8℃くらいまで耐えられます。関東以西の平野部など、冬が比較的温暖な地域では屋外で冬越しが可能です。冬には地上部の枝葉が枯れますが、根は生きており、春になると再び新しい芽を吹きます。寒さが厳しい地域では、後述する冬越し対策が必要です。

季節ごとの管理：剪定が成功のカギ

チェリーセージ・ホットリップスを長く、美しく楽しむためには、剪定が最も重要な作業となります。剪定と聞くと難しく感じるかもしれませんが、目的と時期さえ理解すれば、とても簡単な作業です。ここでは、年間を通した管理を「剪定ツールキット」としてご紹介します。

通年：花がら摘み (Deadheading) 一つの花茎にはたくさんの花がつき、下から順に咲き進みます。花茎の先端まで花が咲き終わったら、その花茎を付け根から切り取りましょう。これを「花がら摘み」と呼びます。咲き終わった花をそのままにしておくと、植物は種を作るためにエネルギーを使ってしまい、次の花を咲かせる力が弱まってしまいます。こまめに花がらを摘むことが、開花期間を長く保つ秘訣です。
春（3月下旬～4月）：若返りの剪定 (Rejuvenation Pruning) 冬が終わり、霜の心配がなくなった頃に行う、一年のスタートを切るための重要な剪定です。冬の間に枯れたり、木質化してしまった古い枝を、地面から10〜20cmほどの高さで思い切って切り戻します。これにより、株元から勢いの良い新しい枝がたくさん発生し、こんもりとした美しい株姿と豊かな花付きが期待できます。剪定後に、緩効性肥料を与えると、新芽の成長を助けます。
初夏（6月～7月上旬）：整枝剪定 (Shaping Prune) 春の花が一通り咲き終わった梅雨の時期に行います。この時期になると、枝が伸びて株姿が乱れがちになります。風通しを良くし、夏の蒸れを防ぐためにも、株全体を現在の高さの半分から3分の1程度に刈り込みます。この作業により、株がコンパクトにまとまり、秋に再び美しい姿で花を咲かせる準備が整います。
秋（9月～11月）：鑑賞と軽い手入れ 秋は、再び訪れる花のシーズンです。涼しくなるにつれて、赤と白のツートンカラーがより鮮やかに現れるようになります。この時期は、花がら摘みを中心とした軽い手入れにとどめ、株が冬に備えてエネルギーを蓄えるのを助けましょう。本格的な冬が来る前に強い剪定を行うのは避けてください。
冬（12月～2月）：保護と休眠 寒冷地では地上部が枯れて休眠期に入ります。枯れた枝は、株元を寒さから守る一種のカバーの役割も果たすため、春の剪定まで残しておくと良いでしょう。株元に腐葉土やバークチップなどを厚めに敷く「マルチング」を行うと、土の凍結を防ぎ、根を保護するのに非常に効果的です。鉢植えの場合は、寒風や霜が直接当たらない軒下などに移動させて管理します。

繁殖方法：挿し木で増やす

チェリーセージ・ホットリップスは、「挿し木（さしき）」という方法で非常に簡単に増やすことができます。お気に入りの株を増やして庭の他の場所に植えたり、友人へのプレゼントにしたりするのも素敵です。

時期 (Timing)：植物が元気に成長している5月～7月が最適です。初夏の整枝剪定で切った枝を利用するのが最も効率的です。
挿し穂の準備 (Preparing the Cutting)：その年に伸びた、花の咲いていない元気な枝を先端から10〜15cmほどの長さで切ります。下のほうの葉を数枚取り除き、切り口をカッターなどで斜めにスパッと切ります。
水揚げ (Hydration)：コップなどに水を入れ、切り口を30分〜1時間ほど浸けて、十分に水を吸わせます。
挿す (Planting)：小さなポットに、湿らせた挿し木用の土（肥料分のない赤玉土や鹿沼土など）を入れます。枝の切り口に「発根促進剤」を付けると成功率が上がります（必須ではありません）。土に指や棒で穴をあけ、切り口を傷めないようにそっと挿します。
管理 (Aftercare)：土が乾かないように管理し、直射日光の当たらない明るい日陰に置きます。数週間から1ヶ月ほどで根が出て、新しい葉が動き始めたら成功です。根が十分に張ったら、一回り大きな鉢や庭に植え付けましょう。

病害虫対策

チェリーセージ・ホットリップスは非常に丈夫で、病害虫の被害には遭いにくい植物です。しかし、栽培環境によっては問題が発生することもあります。大切なのは、日頃の観察と予防です。

うどんこ病 (Powdery Mildew)
- 症状：葉や茎の表面に、白い粉をまぶしたようなカビが生えます。
- 原因：日当たりや風通しが悪い場所で、湿度が高い状態が続くと発生しやすくなります。
- 対策：最も効果的なのは予防です。適切な株間を保ち、定期的な剪定で風通しを良くすることが重要です。水やりは株元に行い、葉に水がかからないようにするのも効果的です。発生してしまった場合は、初期段階であれば、症状が出ている葉を取り除いて処分します。被害が広がっている場合は、市販の殺菌剤を使用してください。
ハダニ (Spider Mites)
- 症状：葉の裏に非常に小さなクモのような虫が付きます。葉の汁を吸うため、葉に白いカスリ状の斑点ができたり、色が抜けて元気がなくなったりします。数が増えると、細かいクモの巣のようなものを張ります。
- 原因：高温で乾燥した環境を好みます。特に、梅雨明け後の夏場や、雨の当たらないベランダなどで発生しやすいです。
- 対策：ハダニは水を嫌うため、定期的に葉の裏に霧吹きで水をかける「葉水（はみず）」が有効な予防策になります。発生してしまった場合は、勢いの強い水で洗い流すか、数が多い場合は専用の殺ダニ剤を使用します。

これらの問題は、植物が弱っているときに発生しやすくなります。日当たり、風通し、水はけの良い環境で健康に育てることが、何よりの病害虫対策となります。

チェリーセージ・ホットリップスの花言葉・文化・歴史

チェリーセージ・ホットリップスは、その美しい姿だけでなく、豊かな花言葉や興味深い文化的背景を持っています。その物語を知ることで、この植物への愛着がさらに深まることでしょう。

花言葉とその意味

チェリーセージ・ホットリップスには、その特徴に由来するいくつかの素敵な花言葉があります。

「燃ゆる思い (Burning Love/Passion)」 最も代表的な花言葉です。ホットリップスの鮮やかな赤い花びらが、燃え上がる情熱的な恋心や愛情を象徴しているとされています。大切な人への贈りものに添えると、ロマンチックなメッセージを伝えてくれるでしょう。
「尊重 (Respect)」 この花言葉は、ホットリップスが属するセージ（サルビア）の仲間に共通するものです。セージは古代から薬草として、また神聖な儀式に用いられるハーブとして、人々の健康や暮らしを守る存在として深く尊重されてきました。その歴史への敬意が、この花言葉に込められています。
「知恵 (Wisdom)」 これもセージの仲間に由来する花言葉です。英語で賢人を「sage（セージ）」と呼ぶように、この言葉には「賢さ」や「知恵」という意味があります。また、学名の元となったラテン語の「salvere」が「健康である、救う」を意味することから、心身を健やかに保つ知恵の象徴とも考えられています。

誕生花として

チェリーセージ・ホットリップスは、秋から初冬にかけての複数の日付で誕生花とされています。

10月5日、11月5日、11月6日、12月18日

これらの日に誕生日を迎える方へのプレゼントとして、花束や鉢植えを贈るのも素敵です。その際には、上記の花言葉をメッセージカードに添えてみてはいかがでしょうか。

発見と命名の物語

園芸店で当たり前のように見かけるホットリップスですが、そのデビューには心温まるエピソードがあります。この品種が園芸の世界に広く知られるようになったのは、比較的最近の2002年のことでした。

物語の舞台はアメリカ。園芸雑誌『パシフィック・ホルティカルチャー』の編集者だったリチャード・ターナー氏が、新居祝いのパーティーを開きました。その際、彼の家で働いていたメキシコ出身の家政婦、アルタ・グラシアさんが、パーティーを彩るために故郷オアハカ州の自宅の庭から持ってきた花の中に、このユニークな赤と白のセージがあったのです。

その美しさに魅了された人々を通じて、このセージはサンフランシスコ植物園（旧ストライビング植物園）に持ち込まれ、’Hot Lips’と名付けられて世界中のガーデナーのもとへ届けられることになりました。一人の女性が大切に育てていた庭の花が、国境を越え、多くの人々を魅了する園芸品種となったのです。この物語は、園芸の魅力が専門家だけでなく、植物を愛するすべての人々の手によって支えられ、広がっていくことを象徴しているようです。

チェリーセージ・ホットリップスの利用法

チェリーセージ・ホットリップスは、観賞用として庭を彩るだけでなく、私たちの生活を豊かにする様々な形で利用することができます。

ガーデニングでの楽しみ方

その丈夫さと長い開花期間を活かして、様々なガーデンスタイルで活躍します。

花壇やボーダーガーデンに 春から秋まで安定して花を咲かせるため、花壇の中核を担う存在として最適です。草丈が高くなるので、花壇の後方に植えると全体のバランスが良くなります。青や紫色のサルビア、あるいはフワフワとした穂が美しいオーナメンタルグラス（観賞用のイネ科植物）などと組み合わせると、色や形の対比が楽しめます。
寄せ植えや鉢植えに コンパクトな株姿を保つことができるため、ベランダや玄関先のコンテナガーデンにもぴったりです。鉢植えにすれば、冬越しのために移動させるのも簡単です。その香り高い葉を気軽に楽しめるよう、テラスのテーブルの近くや、人がよく通る場所に置くのがおすすめです。
ナチュラルガーデンやワイルドライフガーデンに 蝶やハチなどの益虫を引き寄せる「コンパニオンプランツ」としての役割も果たします。農薬を控えたナチュラルな庭づくりを目指す方にとって、庭の生態系を豊かにしてくれる頼もしい存在となるでしょう。

エディブルフラワーやハーブとしての可能性と注意点

チェリーセージ・ホットリップスは、その見た目のかわいらしさと香りから、食用（エディブルフラワーやハーブ）としても利用されることがあります。しかし、利用する際には非常に重要な注意点があります。

伝統的な利用法 原産地のメキシコなどでは、チェリーセージの仲間（Salvia microphylla）の葉は、カシスのような香りのハーブティーとして飲まれてきました。花はほのかに甘く、サラダやデザートの彩りとして使われることもあります。
【最重要】安全に関する注意点 ここで、必ず知っておいていただきたいことがあります。一般の園芸店やホームセンターで「観賞用」として販売されているチェリーセージ・ホットリップスの苗は、絶対に食べてはいけません 。その理由は、観賞用の植物は、病害虫を防ぐために、食用を想定していない農薬が使用されている可能性があるためです。これらの農薬は、人体に有害な場合があります。もし食用として利用したい場合は、必ず「エディブルフラワー用」「ハーブ用」として、食用の安全基準を満たして栽培されたものを購入するか、ご自身で無農薬で種から育てるなど、安全性が確認できるものに限ってください。
安全な場合の楽しみ方 安全性が確認できるチェリーセージ・ホットリップスが手に入った場合の、簡単な利用法をご紹介します。
- 花：サラダやカルパッチョの上に散らしたり、ケーキやゼリーの飾りにしたりすると、食卓が一気に華やかになります。氷を作る際に一緒に入れて「フラワーアイス」にするのもお洒落です。
- 葉（ハーブティー）：フレッシュな葉を2〜3枚、または乾燥させた葉をティースプーン1杯ほどポットに入れ、お湯を注いで3〜5分蒸らせば、甘い香りのハーブティーが楽しめます。

まとめ: 尽きない魅力

この記事では、チェリーセージ・ホットリップスの基本情報から育て方、その文化的な背景や多様な利用法まで、幅広くご紹介しました。気温で色を変える不思議な花、触れるたびに香る甘い葉、春から晩秋まで咲き続ける生命力、そしてガーデニング初心者にも優しい育てやすさ。チェリーセージ・ホットリップスは、一つの植物の中に数えきれないほどの魅力が詰まった、まさに宝物のような存在です。

適切な剪定さえ行えば、毎年美しい花を咲かせて、あなたの庭やベランダを長年にわたって彩ってくれることでしょう。また、その花言葉や発見の物語を知ることで、日々の成長をより一層愛おしく感じられるはずです。

ぜひ、あなたもチェリーセージ・ホットリップスを育てて、その尽きない魅力を存分に味わってみてください。この小さな「熱い唇」が、あなたの毎日をもっと楽しく、心豊かなものにしてくれることを願っています。